昨日の記事は、書いてる途中で状況が激変して取り止めの無い構成になってしまいましたので、改めて錦織選手とATPテニスワールドツアーの1年ついて振り返ろうと思います。
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錦織圭選手、コミットメントプレイヤー入りコミットメントプレイヤーとは【Commitment Player】[(権利による)拘束選手]の事。年末ランキング30位以内を確定した選手に次年度課される権利と地位。
細かい内容はATP公式ルールの英文を解析しないといけないので、当ページでは省略するが、ATP250大会でのポイント加算制限などが加わるので、必然的にATP500以上の大会に積極的に出場する事になるし、出場優遇措置も有るようだ。ATP500以上の大会はシーズン中、毎週有る訳では無いので間隔が空いてコンディションが整え易くなるメリットが有る。無いとは思うが上位大会に理由無く欠席するとペナルティが課される事も有るようなので一応注意。
噂の域を出ないが、主催者が用意する宿泊ホテルのグレードや送迎カーのグレードまで一気にアップするらしい。これが将来的にどう影響するかは選手次第だが、直接的な助けになるのは間違い無いですね。
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全豪オープンでの下位シード点灯が確実錦織選手の年末26位が確定し、全豪に上位選手が全員エントリーするとなると、当然第26シードが点灯する。トーナメント制度の性質上、第8シードまでが最上シード、第16シードまでが上位シード、第32シードまでが下位シードとなる。1回戦のクジ運は優遇されるが2回戦以降は上位シード以上の対戦となり厳しくなるが、GS1回戦のポイントを比較的確実に計算できる可能性を得る事は将来性を考えると悪くない。
なんと言っても、この2つが「錦織選手の大爆発」で得た明確な特典でしょう。
逆に上位選手になる事で注意しないとならないのは何かというと、
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常にあらゆるツアー選手から警戒される存在となったという事でしょう。錦織選手は今年に入って本当に高能力選手として警戒されるようになったと感じます。去年までとは対戦選手の気合が違う感じがヒシヒシと伝わってきます。
ベルダスコ選手との対戦あたりで完全に気が付いたのですが、上位選手が全く楽観視してくれなくなりました。「有望な若手の勢いを削ぐ」という意思がビシビシと注がれます。本気モードのツォンガ選手、ベルディヒ選手を撃破し、サーブから唸り声を上げながら来るジョコビッチ選手やマレー選手を見ると錦織選手の全選手間での今の立場が判ろうというものです。
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錦織選手は今まで以上に分析されているもともと「錦織攻略法」は存在したと思います。サーブが弱いからセカンドはブッ叩けとか、そんな感じですね。しかし錦織選手もセカンドサーブを磨いて、なかなか叩かせないような球筋が出せるようになってきましたね。
で、相手選手はどうするかっていうと、ミスが多いボレーに引き摺り出そうとしたり、逆に自分がボレーで崩そうとしてくる。スライスのアングルで振り回し、良い体勢に入らせないようにしミスを誘うなどの対策をさせる事が増えてきました。それらの対処を万全に行わないと、下位に対する安定性を維持する事ができないでしょう。
あと番外。
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スペシャルエグゼンプト[Special Exempt]を貰う選手というのは急激にランクを上げる選手という事。
次週の大会に「予選出場者」としてエントリーしているのに前週準決勝以上に進出して予選出場に間に合わないから特別に予選免除される訳ですが…
そもそも結果として準決勝以上に進出している大会では、次週が予選になるぐらいランクが足りず、当然ノーシードから勝ち上がる訳で、どこかでジャイアントキリングを達成しているのですよね。バーゼル大会の場合は6~7位のベルディヒ選手相手でした。
テニスというのはポイントの積み重ねで勝負を争うルールなので、なかなか能力下位の選手が能力上位の選手を一発逆転する事は無い競技です。つまり「SE獲得選手」=「急激に能力発揮された選手」といって間違い無いのですね。これに今回、錦織選手が当て嵌まった訳です。
錦織選手のお陰で、これまでダラダラとテニス観戦をしていてATPツアーのルールの詳細を見るなんて考えなかった私が検索などでルールを理解しようとするようになったのは本当に大きいです。これでさらにテニス観戦が楽しくなったのは間違いありません。
まず英語で書かれたドロー表を見て、昔は「外国語でウンザリ」って感じだったのが一気に変わりました。今は逸早く「英語理解しないとダメだね」ですから(笑)
他にも
LL[ラッキールーザー。予選敗退しても辞退選手が出た場合に代わりに本戦出場できる制度]
WC[ワイルドカード。大会特別枠。主催者が地元選手を優遇したり、出場困難な人気選手を優遇したりする制度]など、ドロー表[トーナメント表]に書いてある「なんじゃらほい?」が解決して行きました。
錦織圭選手が登場するまで、あの松岡修造選手以来日本人選手でワールドツアーを常時転戦する選手が現れなかった訳で、元々テニス観戦が好きな私でも日本人選手の居ないツアーはかなり退屈だったのです。GS[グランドズラム]ぐらいはTVち地上波で放映されたら見るか…ぐらいで、とても有料で見ようなんて気は起こりませんでした。ところが来年度は錦織選手が常時出るなら有料放送も考えようかという意識に変わりました。本格的にブログを始めた理由の多くが「そこ」にあります。
ウィンブルドンなどGS大会では128ドローとトーナメント枠が非常に大きいので、下位大会であるチャレンジャー大会を優勝するぐらいの実力が有れば日本人選手でも本戦出場ギリギリの状況にはなれます。現在、添田豪選手、伊藤竜馬選手、杉田祐一選手が該当します。彼らを全く応援していないでもないですが、毎回1回戦で苦戦している姿を見るのは非常に心苦しく、どうしても目を逸らしがちになっていました。そういう「日本人選手劣勢」の状況を一気に打破したのも錦織選手であるし、そういう期待を持たせる選手に早い段階で気が付き、巡り会ったのも非常に幸運でした。
最後に来年以降の課題
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重症の怪我を負わない事あまりにも当然ですが何度でも言います。今後も機会が有る毎に「しつこく」申し上げると断言します。
重度の怪我によって能力を削がれてしまえば選手生命は終わります。下位選手として生きる道もありますが、それはあまりにも寂しいです。日本人の代表として底力を見せ付けて行って欲しいというのが我々の願い。直接的な「トップ10突入」という願いよりも、間接的な「こちら」の方が願いが強いです。トップ10入りは怪我しなければ勝手に付いて来るでしょうし。
もう錦織選手が肘の怪我で長期休養し、公式ブログで「精神的に腐っていた」頃に戻りたくないですよね。これだけは本当に一番の願いなのです。
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日本で過度に有名にならない事これは「何で?」と思う人も多いでしょう。でも錦織選手の存在はテニスフリークだけが知っていれば良いと私は考えています。これは他の高能力日本人アスリート全員に言える事です。
錦織選手が、これだけトーナメントで上位進出し活躍しているのに、日本での報道は貧弱だと感じないでしょうか?日本の報道機関は、世界での日本人の活躍は不都合だと考えているので(理由は各自検索してみてください)ちょっとやそっとの活躍では大きく報道されません。報道されるのは「もう隠し切れない」と判断された時だけです。
隠し切れず報道されるようになると、今度は「上げて落とす」作戦に切り替わります。スキャンダル報道などで注目を浴びさせようとしますので、これに引っ掛からないようにして欲しいし、引っ掛からないように日本での活動は控えめにして欲しいとうのが本音です。
あまりスポーツに詳しくない人から揶揄される事も結構有ります。しかしスポーツでの日本人選手の世界での活躍が、日本人に活力を与えている事は間違い無く、日本人の誇り…アイデンティティー確立に大きく貢献しているのです。マスコミ誘導による「日本人アスリート揶揄」から、我々は選手を守らねばならないのです。これも私がブログで「有力な世界で活躍する日本人アスリートを平等に応援する」大きな理由になっています。
少々話しがテニスからずれますが、私が3大若手日本人アスリートと思う錦織圭選手、長友佑都選手、石川遼選手を平等に応援するのには意味があります。
競技が違う事により、各選手を比較し、弱いと思う方を揶揄する事象が多く見受けられます。
競技が違っても、同様に能力が高いのだという事。そしてその競技も楽しみが有るという事をアピールしたいのです。
日本人同士で叩き合いをするのは良くありません。
他のアスリートの記事も継続して掲載するようにしていますが、錦織選手が一番マイナーであり、保護しないといけない選手である事。単純に私がテニス観戦が好きで、錦織選手のテニス戦略が面白いと感じる事と繋がっていますけどね(笑)
そういう訳で、これからも錦織圭選手を中心に日本のアスリートを応援して行きますので宜しくお願い致します!
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