ユーロ、100円割れ 10年半ぶり安値水準ロンドン外国為替市場で30日、欧州の共通通貨である「ユーロ」が一時99円97銭となり、2001年6月以来の約10年半振りとなる「ユーロ円」100円割れとなった。イタリア・ギリシャを始めとする政府債務危機が更に進行するのではないかという不安材料から、ユーロを売って円を買う動きが加速した影響。
円が特に安定した通貨とは言えないのだが、ドルやユーロは更に深刻な状況になっている事から、国際通貨の中で唯一「円」が強い状況となっている。イタリア国債の利率は危険水域と言われる7%を超えた状態で推移しており、これが為替投資家に強い不安を植え付けている。
日本も、あまりに極端な「円高」の状況になると、輸出産業には非常に強い障害となり、収益を圧迫してしまう。その状況が固定化されてしまうと、生産拠点を海外に移そうとする動きが加速する事になり、内需にとって深刻な影響が増幅することになりかねない。輸入は好調という事に変わりは無いが、経済にもバランスというものが必要であり、極端な事態だけは絶対に避けたい。円の価値を薄めるなどの経済政策を使って、ある程度輸出産業を保護するという方策も必要になってくる。
政府は一時期、為替介入などでバランスをとろうという動きを見せた事があるが、今回のユーロ安という事態については沈黙している。
ドル経済圏に対しての輸出産業については言及される事は多いがユーロ経済圏に対する日本の輸出については、あまり取り上げられる機会が無いようだが、当然そういう輸出品目は有る訳だし、そこが希薄になれば、やはりドル経済圏への輸出影響にも悪い面が出てくる。そういう事に対し、各方面が沈黙を破らない状況は不気味というしか無い。
緊急経済対策は日本ではなく欧州から出るだろうから、直ぐにデフォルトが来る訳では無いだろうが、こういう事の繰り返しで、日本の産業構造はどんどん「いびつ」になっていく事実は確実に押さえておきたいところだ。
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